『ダンスしないか?』 by レイモンド・カーヴァー (トム・ウェイツを聴いて)
04/03/2005(Sun)
この前トム・ウェイツのエントリで、「ロバート・アルトマン監督の『ショート・カッツ』に出てたのを見たり…」と書きましたが、実は「Small Change」を聴くまですっかり『ショート・カッツ』のことは忘れていました。アルバムを聴いて「なんだかレイモンド・カーヴァーの世界みたいだな」と思ったんですが、それで「あ、なんだ。『ショート・カッツ』に出てたじゃん」と思い出したんでした。だから前の記事の最初に書いた部分はちょっと間違い。
『ショート・カッツ』はレイ・カーヴァーの短編集をいくつか取り上げて、まったく別の作品の人物同士に何かしらの関係(兄弟とか職場の同僚とか)を持たせることで1つのストーリーとしてまとめ上げたものとなっているので、カーヴァーの短編を読んだことがあれば、「あの作品とあの作品がここでつながってるのか」という部分でも楽しめます。
確か10組32人くらいの大勢のキャストが出てくるんだけど(なのでその相関図が本当に面白い)、その中の1組がトム・ウェイツとリリー・トムリンでした。この2人の「地でやってるだろ、全然演技してないだろ」ってな感じが良いのよね。
それで今回トム・ウェイツを聴いて思い出したのは、『ショート・カッツ』には組み込まれていない、レイ・カーヴァーの『ダンスしないか?(Why Don't You Dance?)』という作品でした。ある男が家の中の家具を全部庭に出し、家の中にあったのとまったく同じように配置してガレッジ・セールを開く。そこに通りかかったふたりの若い男女が自分たちの新居のために掘り出し物がないかと立ち寄るというとても短いストーリー。
元々私はアメリカに住み始めて間もない高校生の頃、たまたま本屋でこの本を見つけて「これなら私にも読めそうだぞ」という理由だけで買ってしまったくらいその英文は簡単。カーヴァーはミニマリズム(単純簡潔)作家と言われているようにそこで用いられる言葉も文体もシンプルすぎるくらいにシンプルで、トーンも非常に静かでゆったりとしている。どこにでもある日常をどこにでもある言葉で書き表してるだけなのにほんのちょっとした隙間にストーリー全体をグッとわしづかみして深いところまで沈めこむ力強さが隠れています。この『ダンスしないか?』もそう。最後の"You must be desperate or something"という女の子の言葉(訳書を読んでないので日本語ではちょっと分からないのですが、「やけっぱちになってるのね」とかそんな感じかしらね)。それまで静かに流れていた時間をここでピタッと止めると同時にそれまでのひた隠しにしてたかのような男の感情を読者にさらけ出してしまうというラストが見事です。
で、私の中ではこのストーリーの「男」とトム・ウェイツが重なって見えてたんですね。特に前の記事に書いた"Step Right Up"。もちろんこの曲の雰囲気と『ダンスしないか?』のそれとは全然違うのだけれど、「バーゲン(ガレッジ)セール」というところで自然とこの短編が頭に浮かんだのでした。カーヴァーと違ってトム・ウェイツの詩は難解ではあるけれど、その曲に出てくる人物たちとカーヴァー作品の登場人物たちはまさに同じ世界に住んでるんじゃないかと思いましたよ。
カーヴァー作品は村上春樹がバンバン訳してるんでそれを読むのもいいんだろうけど、でも本当に原作も簡単なんで(短いし)そちらも是非オススメします。
『ショート・カッツ』はレイ・カーヴァーの短編集をいくつか取り上げて、まったく別の作品の人物同士に何かしらの関係(兄弟とか職場の同僚とか)を持たせることで1つのストーリーとしてまとめ上げたものとなっているので、カーヴァーの短編を読んだことがあれば、「あの作品とあの作品がここでつながってるのか」という部分でも楽しめます。確か10組32人くらいの大勢のキャストが出てくるんだけど(なのでその相関図が本当に面白い)、その中の1組がトム・ウェイツとリリー・トムリンでした。この2人の「地でやってるだろ、全然演技してないだろ」ってな感じが良いのよね。
それで今回トム・ウェイツを聴いて思い出したのは、『ショート・カッツ』には組み込まれていない、レイ・カーヴァーの『ダンスしないか?(Why Don't You Dance?)』という作品でした。ある男が家の中の家具を全部庭に出し、家の中にあったのとまったく同じように配置してガレッジ・セールを開く。そこに通りかかったふたりの若い男女が自分たちの新居のために掘り出し物がないかと立ち寄るというとても短いストーリー。元々私はアメリカに住み始めて間もない高校生の頃、たまたま本屋でこの本を見つけて「これなら私にも読めそうだぞ」という理由だけで買ってしまったくらいその英文は簡単。カーヴァーはミニマリズム(単純簡潔)作家と言われているようにそこで用いられる言葉も文体もシンプルすぎるくらいにシンプルで、トーンも非常に静かでゆったりとしている。どこにでもある日常をどこにでもある言葉で書き表してるだけなのにほんのちょっとした隙間にストーリー全体をグッとわしづかみして深いところまで沈めこむ力強さが隠れています。この『ダンスしないか?』もそう。最後の"You must be desperate or something"という女の子の言葉(訳書を読んでないので日本語ではちょっと分からないのですが、「やけっぱちになってるのね」とかそんな感じかしらね)。それまで静かに流れていた時間をここでピタッと止めると同時にそれまでのひた隠しにしてたかのような男の感情を読者にさらけ出してしまうというラストが見事です。
で、私の中ではこのストーリーの「男」とトム・ウェイツが重なって見えてたんですね。特に前の記事に書いた"Step Right Up"。もちろんこの曲の雰囲気と『ダンスしないか?』のそれとは全然違うのだけれど、「バーゲン(ガレッジ)セール」というところで自然とこの短編が頭に浮かんだのでした。カーヴァーと違ってトム・ウェイツの詩は難解ではあるけれど、その曲に出てくる人物たちとカーヴァー作品の登場人物たちはまさに同じ世界に住んでるんじゃないかと思いましたよ。
カーヴァー作品は村上春樹がバンバン訳してるんでそれを読むのもいいんだろうけど、でも本当に原作も簡単なんで(短いし)そちらも是非オススメします。
comments
マルディさんにお聞きしたいのですが
私のサイトでカレンダーの部分があるんですけど、その部分だけを
透明な感じにしたいのですが、どうしたら出来るのか教えていただけますか?いろいろやってみたのですが、ダメでした
よろしくお願いします
私のサイトでカレンダーの部分があるんですけど、その部分だけを
透明な感じにしたいのですが、どうしたら出来るのか教えていただけますか?いろいろやってみたのですが、ダメでした
よろしくお願いします
>tonochanさん
さきほどは削除しちゃえばいいとか書いちゃいましたが、
背景色を透明にするには、
background:transparent;
と記述するのが正しいんだそうです。
さきほどは削除しちゃえばいいとか書いちゃいましたが、
背景色を透明にするには、
background:transparent;
と記述するのが正しいんだそうです。
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そういえば、ふと思い出したが(最近こればっかりだが)、確か村上春樹訳のレイモンド・カーヴァーの短編に、こんなのがあった。(以下、約15年前に読んだ記憶に基づいて書くので、かなり不正確である可能性、大。)ある夫婦(まだ若く子供はいない)が、けっこう高級めな
2006/12/25 (Mon)
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