ぶらんこ乗り by いしいしんじ

ぶらんこ乗り (新潮文庫)
最近、書きたいことが山ほどあったのだけど、頭ん中がごちゃごちゃで全然文章としてまとまらないので諦めました。いつものことだけど。そんなんで、後回しになっていた「ぶらんこ乗り」のこと。
「ぶらんこ乗り」は、2000年の作品なので読んだことある人は多いのかもしれませんね。実は我が家の本棚にも何年も前から並んでたのに、私は今回bacoさん(感謝!)の記事がきっかけで初めて読んだもんだから、「あぁ、なんで私はもっと早く出会ってなかったのだ!」とすごく後悔しちゃったんだけど、でも逆に今読んだのが良かったのかなとも思いました。そういうタイミングって大事。

『小学生からとうに大人になった人たちまで・・・』なんて解説に書いてあるけれど、これはガキんちょには読んで欲しくないなあ、もったいないったらありゃしない。
ぶらんこ乗り いしいしんじ著 (yebisuneko)より

読もうと思えば1日で読めちゃうものだと思いますが、ガキんちょではない私ですら、途中からもったいない気がしてきて、1日1〜2章ずつ大事に読み進めました。


これは別件で取り上げようと思ってたことなのだけど、
「自分は強いから気にしない」と言うのは単に「気にする」ことから「逃げ」てるだけであって、逃げることが出来ずに自分自身を傷つけてまで気にしてしまう「弱い人」の生き方にこそ本当の強さがあるのかもしれない。

といったことがつい先日私のお気に入りブログに書かれてて、私はちょっと励まされちゃったのだけど、あぁ、なんだ「ぶらんこ乗り」と同じじゃんと思ったので、ここにまとめちゃうことにしました。もっともこの方は不倫ブログなるものをやっているので、コンテキストとしては不倫をしてる女の人が大前提にあるんだろうでしょうけど…。(以前も書いたことがありますが、私はこの人の「不倫」に関しては興味ないのです。)

「おばあちゃん、それ、本当のこと?」
「ああ。ぜんぶ、本当のことさ」

「本当のこと」というのは本当につらいのよね。しみじみ。
私はパニックちゃんになってからというもの、日々是色んな「本当のこと」についてごちゃごちゃ考えては悪い夢ばかり見たり発作を起こしちゃったりとめんどくさい生活を送ってて、自分で自分がめんどくさくなることもしょっちゅうだったりするんで、「ぶらんこ乗り」も後半の「本当のこと」ばっかりな部分(読み始めた時には想像すらしてなかった展開)は正直読み進めるのがちょっとしんどかったものの、読み終わった時は、そんなパニックちゃんになってまでも「本当のことを気にする自分」は正しいとまでは言えなくとも悪いことではないのだと再確認できたし、そんな個人的なことは抜きにしても、純粋に読み物としてこの本を「友達全員に配ってまわりたーい!」と思いました。そんな一冊。

ところで、解説にも書いてあったのだけど、私もどうぶつの話がとても気になります。特にペンギンのおしくらまんじゅうと象のローリング。弟は「うそか、ほんとうか、それはね、どうだっていいんだ」と言います。この世で一番好きなお姉ちゃんの笑い声が聞ければ良いのだと。そのために「ぼくはかくの、あしをふんばって」。このあたりの弟の言葉はそのまんま作者の言葉なんでしょうね。

そんなどうぶつの話はさておき、「ぶらんこ乗り」はあくまでも小説なわけだけど、これはこれでやっぱり「本当のこと」なんだと思うな。本当のことは悲しいことばかりだけど、そこに「静かな指の音を込めて」ちゃんと救ってくれるいしいしんじという人はすごい人だなと思ったのでした。

そうそう、はがきの秘密にはびっくり泣けました。思わずページを遡って読み返しちゃった。物語の構成も完璧なのね。
01:11 | 日本の本 | comments (5) | trackbacks (0) | edit | page top↑
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comments

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マルディちゃん、おはよーございます。
読了されたのですね。「つまんない!」なんて言われなくて良かったです。
私も「何故もっと早く…」なんて思っていましたが、マルディちゃんが言うように、こういう出会いのタイミングってのがあるんでしょうね。もしかしたら私も今、こういう物語を欲していたのかもしれません(小川洋子の「物語の役割」という本を先日読んでそんなことを感じていました)。

はがきの秘密には私も「ええっ?!」ともう一度確認するように読み返しましたよ!
といっても他の部分も読み終えたそばから「あれ、あの話しはどうだったっけ」なんて何度も読み直したりしてましたけど・・・記憶力が恐ろしく低下しているだけなんですけどね。
bacoさん | 2007/04/18 08:06 | URL [編集] | page top↑
#
ほほーーー・・・
マルディちゃんがそう言うのならば読んでみよう
すぐにかどうかはわからないけれど
読んでみよう
miu_novさん | 2007/04/18 21:36 | URL [編集] | page top↑
# bacoさん〜miu_novちんこんばんは。
bacoさん

とっても素敵な本を紹介くださってありがとうございました〜。
ほんとは多和田葉子ちんのも一緒に書くつもりだったのですが、ぶわーっと書いたら長くなっちゃったので、1コだけにしました。ってこの2冊をいっしょくたにするのも無理がありますね…。

はがきもびっくりだったし、私は最初からあんな展開になるとは夢にも思ってなかったので、そう考えるとあの始まり方や「雹にやられた!」とか、うまい具合にうっかりさせられてたなー、いとうしんじやってくれるじゃないのよ!と思いました。

次はやっぱりトリカツ!?


miu_novちん

ぜひぜひ〜!
ほんとに読んで欲しいどす。
すんなりと読めると思うし。少しずつ読むにしても1章がとても短いんで、お休み前にちょろっとなんてのが良いかも。夜に読む本だと思います、これは。
マルディちゃんさん | 2007/04/18 23:19 | URL [編集] | page top↑
# 私も読んでみよーっと
最近、本読むの大好きで、仕事忙しくても1週間に2冊くらいのペースで読んでるわ。私は女性作家好きなのだけども、これはマルディちゃんオススメっていうから読んでみよーっと。また面白い本があったらリコメンしてね。
G2さん | 2007/04/20 11:23 | URL [編集] | page top↑
# G2こんばんは。
G2お元気〜?
私は逆に女性作家を全然読まないのよ。
それ以前に最近の文学界というものがさっぱり分からないので、私こそおすすめしていただきたいわん。
マルディちゃんさん | 2007/04/21 00:54 | URL [編集] | page top↑

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