Koln Concert by Keith Jarrett
04/26/2005(Tue)
赤ん坊がハイハイを始めたり喜怒哀楽を少しずつ示し始めるのは生後5ヶ月くらいからなんだそうだ。私が生まれて5ヶ月経ったある年の1月24日、その時私が何を見てどんな感情を示していたかなんて知る余地もないけれど、ドイツのケルンではこんなメロディが流れていた。世界で(少なくとも私の主観視点の世界では)最も美しい音楽。そこにいた人たちの目には何が見えてどんな感情が生まれたんだろうか。そういうことがとても気になるキース・ジャレットの「ケルン・コンサート」。
こんなところでグズグズするのはいやなんだけど、昨日今日と情緒不安定極まりない。で、恐る恐るこのアルバムを聴いてみたのだけど…。いつ聴いてもそうだけれど、同情(シンパサイズ)はしてくれなくとも同調(シンクロナイズ)してくれるのが心地良い。癒してはくれなくとも(癒しの音楽なんてただの思い上がりだ)今見えてるのとは別の風景を見せてくれるのに救われる。「こんなのもあるぜ」って。それはジャケットのせいかモノクロの世界。「様々な濃度のグレイ」と表現するほうが正しいかも。そして、それくらいがちょうど良い。

キース・ジャレット、「なんだこの世界は、無音じゃねーか」なんてことを思いながらこんな4曲を即興演奏したんでは?なんて思えちゃう。だからキースにとって、これは「音楽」じゃなくて、ただの「音」。それもサウンドじゃなくてただのノイズ。「なぜ誰もこのノイズに気付かないんだ。本当の世界にはこんなきれいなノイズが流れてるんだぜ」って。だから普段聞こえてるはずなのに聞こえてない雑音が「ケルン・コンサート」を流すことによって研ぎ澄まされて聞こえてくる、ような気がする。外を走る車の音とか人の話し声とか、近所のテニススクールから聞こえるボールの弾む音とか。そういう雑音はどんなに静かに過ごしていても耳に届いてないことが多い。
この前どこかのブログで久しぶりに「虚実皮膜の間」という言葉を目にした。これ、他のものにだって置き換えられる。例えば夜と朝の一瞬の合間とか、黄昏時、日が落ちる時のオレンジとか紫とか青なんかの間にある「なんとか色」とか、太陽とそれを覆う雲の境目が実は一番光り輝いてるとか。人間だって大人になるかならないかのその微妙な時期が一番熟度高いんじゃないかとか、大人になってもその裏にある子供心がたまに見え隠れするから面白いんだとか。要するに最上のものは「虚と実」、「光と影」、「表と裏」のわずかな隙間、もしくはその境目辺りにあるというのがこの世の真理ではないかと。
「ケルン・コンサート」を演奏しながら時々呻き声を発するキース・ジャレットの目に映る世界も「虚実皮膜の間」にある世界なんじゃないかという気がしてならない。だから白と黒じゃなくてその合間にあるたくさんのグレイ。ありとあらゆる有象無象の間隙を縫いながらそこにある本当の世界(朝も昼も夜も晴れも雨も風も)に色付けならぬ音付けをして、おまけにそこに日常の雑音も乗せちゃって「こんなのもあるぜ?」って、でも実はこれが本当なんだと、だから特別良い風景じゃないけれど「でもそんなに悪くもないだろ?」って言ってるのがこの「ケルン・コンサート」なんじゃないかと。だからこれは幻想を抱かせるのではなくてむしろ(少なくとも私にとっては)普段の生活へと還してくれる音。
今日、火曜日の昼過ぎ。このアルバムを聴き終わった途端に大雨が降ってきた。
こんなところでグズグズするのはいやなんだけど、昨日今日と情緒不安定極まりない。で、恐る恐るこのアルバムを聴いてみたのだけど…。いつ聴いてもそうだけれど、同情(シンパサイズ)はしてくれなくとも同調(シンクロナイズ)してくれるのが心地良い。癒してはくれなくとも(癒しの音楽なんてただの思い上がりだ)今見えてるのとは別の風景を見せてくれるのに救われる。「こんなのもあるぜ」って。それはジャケットのせいかモノクロの世界。「様々な濃度のグレイ」と表現するほうが正しいかも。そして、それくらいがちょうど良い。

この前どこかのブログで久しぶりに「虚実皮膜の間」という言葉を目にした。これ、他のものにだって置き換えられる。例えば夜と朝の一瞬の合間とか、黄昏時、日が落ちる時のオレンジとか紫とか青なんかの間にある「なんとか色」とか、太陽とそれを覆う雲の境目が実は一番光り輝いてるとか。人間だって大人になるかならないかのその微妙な時期が一番熟度高いんじゃないかとか、大人になってもその裏にある子供心がたまに見え隠れするから面白いんだとか。要するに最上のものは「虚と実」、「光と影」、「表と裏」のわずかな隙間、もしくはその境目辺りにあるというのがこの世の真理ではないかと。
「ケルン・コンサート」を演奏しながら時々呻き声を発するキース・ジャレットの目に映る世界も「虚実皮膜の間」にある世界なんじゃないかという気がしてならない。だから白と黒じゃなくてその合間にあるたくさんのグレイ。ありとあらゆる有象無象の間隙を縫いながらそこにある本当の世界(朝も昼も夜も晴れも雨も風も)に色付けならぬ音付けをして、おまけにそこに日常の雑音も乗せちゃって「こんなのもあるぜ?」って、でも実はこれが本当なんだと、だから特別良い風景じゃないけれど「でもそんなに悪くもないだろ?」って言ってるのがこの「ケルン・コンサート」なんじゃないかと。だからこれは幻想を抱かせるのではなくてむしろ(少なくとも私にとっては)普段の生活へと還してくれる音。
今日、火曜日の昼過ぎ。このアルバムを聴き終わった途端に大雨が降ってきた。
comments
おはようございます、マルディちゃん!
TBいただきました。マルディちゃんのケルンのエントリは見て見ぬフリしてましたが、いただいたもんはしょうがないんで、こっちからもTBしますよぉ。こっちのはおバカっぽくて恥ずかしいじゃねーかよ、とか思いつつ。
TBいただきました。マルディちゃんのケルンのエントリは見て見ぬフリしてましたが、いただいたもんはしょうがないんで、こっちからもTBしますよぉ。こっちのはおバカっぽくて恥ずかしいじゃねーかよ、とか思いつつ。
夜が白み始めた頃に聴いてみた(たまたま)。なるほど癒してはくれないのよね。そうそう甘い顔をみせてくれないし、キースはキースでピアノ(音楽)と格闘中で忙しそうだし。
「Part 1」の4分あたりから、手探りなのか、自問自答なのか、迷いなのかよくわからないけど、もやもやぁっと停滞しかかってるように聞こえるんだけど、そこから、少ぉしずつ何かをたぐり寄せていく感じが、いつも興奮するんだよね。後に続く誰の目にも美しい部分(7分あたり)にたどり着くには絶対必要な部分なんだと思う。
「Part 1」の4分あたりから、手探りなのか、自問自答なのか、迷いなのかよくわからないけど、もやもやぁっと停滞しかかってるように聞こえるんだけど、そこから、少ぉしずつ何かをたぐり寄せていく感じが、いつも興奮するんだよね。後に続く誰の目にも美しい部分(7分あたり)にたどり着くには絶対必要な部分なんだと思う。
ほんと、あそこ(4分あたり)はもやもやぁですね。
で、その後ダンッダンッて心音みたいな足踏み(?)から「うわわ〜」ってなって
7分のところで、「うぎゃー」ってなります。
ちょっともうやめて〜というギリギリな感じ。
だけどキースは「これだこれだ」ってノリに乗っちゃってる感じなんで、
じゃあ私の呼吸もあずけるからあと責任もてよとか思ったりします。
あと20分くらいから霧が晴れてきて、その後のこんなにキラキラだぜみたいなところで安心します。
そのへんに出てくるキースの「ア〜ン」てのがたまらないです。
ということで、TBありがとうございました。
だってあれ読んだ時、「そうそう!」って思ったのですもの。
で、その後ダンッダンッて心音みたいな足踏み(?)から「うわわ〜」ってなって
7分のところで、「うぎゃー」ってなります。
ちょっともうやめて〜というギリギリな感じ。
だけどキースは「これだこれだ」ってノリに乗っちゃってる感じなんで、
じゃあ私の呼吸もあずけるからあと責任もてよとか思ったりします。
あと20分くらいから霧が晴れてきて、その後のこんなにキラキラだぜみたいなところで安心します。
そのへんに出てくるキースの「ア〜ン」てのがたまらないです。
ということで、TBありがとうございました。
だってあれ読んだ時、「そうそう!」って思ったのですもの。
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キース・ジャレットのソロ・ピアノによる「ケルン・コンサート」。冒頭のあまりにも美しい演奏により、コマーシャルにも使われたりしたし、そんなんで有名なレコード。昔、高校を卒業したての頃、今も仲良しのモリミツくんと自動車免許の試験を受けに行った帰り道、ウォーク.
2005/04/28 (Thu)
05:13 | Got My Mojo ..
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